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放送記念日に思うこと。 [独白]

★きょうは、日本放送協会(NHK)がラヂオ放送を始めた日を記念した日、放送記念日ということだが、不肖ながら、私こと銀鏡反応も、放送と共に生きてきた数多き世代の1人である。

★私は終戦の年から数えて19年めに生まれた、つまり高度経済成長の真っ只中、東京オリンピックのあった年に呱々の声を上げた人間の1人。なので、放送といえばもっぱらTVを見て育ってきた戦後世代の1人である。

★最初に見たTV放送といえば、記憶にはほとんど残っていないものの、今は亡き藤田まこと&白木みのる出演のヴァラエティ『てなもんや三度笠』だったらしい。何でも家人の話によると、『てなもんや』の始まる時間帯になるときまって、ブラウン管の前に顔をくっつけるようにして見ていたという。物心ついた頃に記憶されたのは『デン助劇場』で、これは記憶が確かなら、当時のNET(日本教育テレビ=現・TV asahi)系で放映されていたと思う。

★その他、未だに最高視聴率の記録が破られていないというTBS(東京放送)系のドラマ『ありがとう』は第一シリーズから見ていた。『太陽にほえろ!』や『傷だらけの天使』、『前略おふくろ様』(以上日テレ系)、『愛と誠』(東京12チャンネル=現・TV東京)や『北の国から』シリーズ(CX=フジテレビ系)など昭和中期~後期ドラマの傑作はほとんど見たように思う。

★そして何と言っても忘れられないのは、『シャボン玉ホリディ』(1961~1972放映、日テレ系)や『巨泉・前武ゲバゲバ90分!』(日テレ系)、『8時だョ!全員集合』(TBS系)、『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)などの、芸人たちが身体を張って笑わせるドタバタ系ヴァラエティだった。

★「こりゃまた失礼いたしました!」「ガチョーン」「あっと驚くタメゴロー!」「ちょっとだけよ~、あんたも好きねぇ」「アイ~ン」「コマネチ!」「赤信号、みんなで渡れば怖くない」など数々の歴史的なギャグフレーズを生み出した各番組は実に忘れがたい。

★そんな、名番組を次々と生み出してきた放送界の主役・TVであったが、近年におけるインターネットの進出により、その王座が揺らぎ始めている。

★とにかくお金をかけてでも、本気でよい番組を作ろうという気概が著しく欠けている。どのジャンルを見ても、ただ視聴率を稼ぐ為だけの、安上がりな番組ばかりが目立つ。

★また、ヴァラエティを見ていても、素人に毛の生えたような、これまた安上がりなタレントが、素人と大して変わらない空騒ぎを、いわゆる『ひな壇』の上で繰り広げているだけ。

★いま、新聞でニュースを見るよりも、ウェブで見たほうが速報性もあり、我々‘60年代生まれ以降の世代にとっては実に便利この上ない。TVは確かに視覚に訴えるには効果があるが、今やネットにおいてもYouTubeやニコニコ動画などの画像メディアが進出していて、TVの得意だったこの視覚的効果も、如何やらお株を奪われつつあるらしい。

★つい最近、ラヂオがウェブとの相互効果を上げる為に、放送の音声をウェブに乗せて聴取者のもとに届けるという試みを始めた、ラヂオはウェブと積極的に融合の道を歩み始めたようだ。TVも負けずに以前からウェブでオンデマンド形式で番組を配信するようになったが、現在この試みを積極的にしているのは民放でなくNHKのみである。

★どのみち、既成のメディアはウェブとの融合を期すようになるのであろうが、問題はこうしたメディアの融合体が、週刊誌の轍を踏まずに、果たして何処まで、地球上で起こる出来事の真実をキチンと伝えられるかだ。

★そして、本当に人々に喜びと生きる勇気を与えられる、文化的にもレヴェルの高い番組を作りつづけられるかどうかだろう。

★私は恐れる。ウェブと融合・連携した既成のメディアが、かの「2ちゃんねる」の如き腐敗した悪口メディアに堕すことを。そして期待する。今まで以上に本当に文化と教育の振興に役立つ知的レヴェルの高い番組を、作りつづけることを。
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