SSブログ

オカシイ?オカシイ!

★08年11月中旬現在、問題になっている自衛官の論文問題。要するに「日本は侵略国家ではない」だの「日本はイイ国だ」だのと、私達が現在共有している歴史的認識や、あの時代に中国大陸で日本軍が引き起こした蹂躙の事実とは明らかに逸脱した論文を提出して入賞した航空自衛隊トップ官僚の歴史観に怒りを感じている人々は少なくない筈だ。

★私もその田母神なる人物の発言を聞きおよぶに、これは明らかにオカシイ!歴史的な事実を捻じ曲げているし、何よりも考えかたが全体主義的、軍国主義的である。右翼の中のウヨク=極右とは言わないけれど、えらく右寄りな頭の持ち主であると思った。「他のアジア諸国も日本の行為を肯定的に受け入れている」だって?これこそ、オカシイじゃないか・YO!


★だいたい、日本が中国大陸を侵略しなかった事実なんて、ないだろ?もし、軍部(関東軍)中心の大陸侵略がなかったら、かのラストエンペラーを皇帝に担ぎ上げた「満州国」なる傀儡国家は、中国東北部に誕生しなかったんだぜ。


★案の定、田母神氏は国会に参考人として招致され、何故あの発言を行ったのか、発言を撤回する気はないのか、などと議員たちから徹底的に詰問された。が、当の田母神氏は「私の考えは正しいと思っている、日本は侵略国家ではない」などとこれまでの主張を繰り返していたという。

★田母神氏がこういう発言を繰り返すほど、彼自身の誤れる歴史認識、恐ろしい考え方の持ち主である事がハッキリしてくる。


★もうひとつ問題がある。田母神氏は国会で自身の出した論文が問題にされているについて、言論の自由の侵害なんて言っているが、彼の言っているのは、日本が大陸で犯した過去の悪行を反省しているということの全面的な否定なのだ。近年のべつに防衛省関係の不祥事が相次いでいる時だけに、当人の退職金の問題も含め、然るべき解決を望みたいものだ。

★つまりあれは日本にとって正しいことで、そのことで侵略者扱いされるのは怪しからん、という意見なのだ。是はとんでもないことなのだ。日本が平和を構築する為にあらゆる努力をしていることを全面否定し、世界中に「我が国は過去の反省など一切してない」ということをPRしてしまうことに繋がるからだ。だから理の当然として、田母神氏には考えを改めてもらうのだ。

★言論は、許すべき言論とそうでないのと二通りある。言論の自由だからと言って、軍国主義・ファシズム礼賛に繋がる危険な言論や、平和主義者を陥れる為の虚偽的言論まで自由に垂れ流すべきではない。

★過去の歴史を紐解くに、昭和の戦中時代、政治権力が平和主義の言論を圧殺して、それらの当事者達を特高を使って捕らえ、牢獄の中に閉じこめて、獄死させたりあるいは転向させたりした、動かし難いれっきとした事実が存在するのである。現憲法に保障された「言論の自由」とは、そうした悲劇を弾じて繰り返させない為にも、また如何なるジャンルの人々でも自由に意見を表明できてもいいように制定されたのである。

★しかし、今回のように、歴史的事実を無視し、ファシズム的な危険な歴史観に基づく発言は、日本が平和国家としてこれからを生きる為に、断じて撤回せねばならない。みんなの自由な発言を許すのも言論の自由なら、危険な言論を封じるのもまた、言論の自由の一面である筈だ。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。