黄昏る20世紀の遺物的社会。 [独白]
★昨年、サブプライムローンが破綻し、リーマン・ブラザーズなど世界的な巨大金融機関のドミノ倒しに始まる「未曽有の金融恐慌」は、21世紀の国際社会の中における“20世紀の遺物的部分”が剥き出しになった事象のひとつなのかもしれない。
★1929年のブラックマンデー後も、失業者が明日のパンとスープを求めて、歩道に行列を為した。今年の初め、日比谷公園で列を為していた若い失業者の姿が、ブラックマンデー当時のそれと重なる。
★今では、流石に農村から身売りされる若い女性はもういないけれど（農村自体が高齢化してしまっている）、当時は農村は“明日のメシ”を食うために、若い女性を遊郭などへ身売りする事態が絶えなかった。救世軍も乗りだし娘の身売りに歯止めをかけようとしたが、結果的には無駄だった、と朝日新聞の記録「実録20世紀」にある。
★変わらないのは、当時も今も、富める者と貧しき者との格差が広がってしまったことである。今も富めるネットトレーダは、クリック一発で何億㌦も大もうけ。逆に貧しき労働者は、日雇いに1日精を出しても、収入は平均数百円から数千円。食うや食わずやの日々をずっと送っている有様。
★ブラックマンデーの頃は、日本の大卒でも職につけず、プラカードを首からぶら下げて就職を訴える事態が起き、「大学は出たけれど」という映画（小津安二郎監督作品）が上映されるほど、社会問題化していた。今も博士号をとっても、適職を得られず無職化する学究者の問題がクローズアップされている。まさに「歴史は繰り返す」の典型である。高学歴ニートの問題の深刻さは、この時代も今もまったく変わりが無さそうだ。
★また農村では、ブラックマンデーの時代に凶作に見舞われ、飢餓に苦しむ農家が後を絶たなかった。それで、家族の中で病弱な子を殺すという「間引き」が常態化したと聞く。
★今は、未曽有の不況の影響は、都会の各家庭を直撃し、経済的逼迫を齎しつつある。その不安から逃れる為なのかもしれないが、子供への虐待が常態化しつつある。まさに「現代版の間引き」である。
★ブラックマンデーの影響がまだ残る1930年頃、今の百円ショップに相当する「十銭ストア」なるものが渋谷あたりに出現したという（ワンコインショップの歴史って意外と古いのね）。生活用品なら何でも十銭、という格安さが受け、近隣の主婦が連日押しかけたことであろう。今はコンビニから高級デパートの衣料品売り場まで、何処も安売り、安売り、安売りのオンパレード。とにかく売り物の質がよくて安けりゃ御の字、ということで、経費を節約したい家庭の主婦や、給料が減ったサラリーマンやOLが、連日のように買いにやって来るようになった。
★ついこの間まで、国際的に名のある高級ブランドに群がっていたと思しき階層の人間までが、今や良質・安売りと聞いて目の色変えて、ユニクロやH&Mに群がる御時世に。こんなに安売りばかりだと、消費者はより安いものを求めるようになり、それが何時しか悪循環（ネガティヴ・スパイラル）に陥り、更なる不景気を招くオソレがある、と分析する人もいる。
★ついこのあいだ破産法を適用し、その後国有企業になったGM（ゼネラル・モーターズ）をはじめとする世界のクルマ産業も苦境に。トヨタは久方ぶりに赤字となり、ハイブリッドカー「プリウス」をフルモデルチェンジして、環境にやさしいことを売りに、巻き返しを図る。ホンダもフルモデルチェンジした「インサイト」を出して環境によいことをアピール。不況による逆風が、本格的エコカー時代を招く好機となったのだった。（ホンダは更に、水素で動く時代の最先端をゆくクルマも開発中である）。それでも、フェラーリとかポルシェに憧れる人間は減った験しがないようである。環境に優しいクルマでも走って楽しくなければダメ、とはホンダで“水素カー”の開発に携わってきた人の意見である。
★…と、ここまで書いて見ると、20世紀の遺物のようなものが一気に噴き出したようなきょうびの世の中ではある。しかしやがて、そうした遺物的社会も、いいものだけを残し、やがて全てが完全に黄昏て、本当の意味で新しいものが出て来る時代がくるのであろう。
★歴史は繰り返す、しかし時代は進む。1900年代直前、世の進むに従いて、目薬にも新しいものが出来たように、この不況の時代が黄昏ると同時に世は進み、本当に新しいもの、こと、ひとが出現する事を信じたいものだ。
★1929年のブラックマンデー後も、失業者が明日のパンとスープを求めて、歩道に行列を為した。今年の初め、日比谷公園で列を為していた若い失業者の姿が、ブラックマンデー当時のそれと重なる。
★今では、流石に農村から身売りされる若い女性はもういないけれど（農村自体が高齢化してしまっている）、当時は農村は“明日のメシ”を食うために、若い女性を遊郭などへ身売りする事態が絶えなかった。救世軍も乗りだし娘の身売りに歯止めをかけようとしたが、結果的には無駄だった、と朝日新聞の記録「実録20世紀」にある。
★変わらないのは、当時も今も、富める者と貧しき者との格差が広がってしまったことである。今も富めるネットトレーダは、クリック一発で何億㌦も大もうけ。逆に貧しき労働者は、日雇いに1日精を出しても、収入は平均数百円から数千円。食うや食わずやの日々をずっと送っている有様。
★ブラックマンデーの頃は、日本の大卒でも職につけず、プラカードを首からぶら下げて就職を訴える事態が起き、「大学は出たけれど」という映画（小津安二郎監督作品）が上映されるほど、社会問題化していた。今も博士号をとっても、適職を得られず無職化する学究者の問題がクローズアップされている。まさに「歴史は繰り返す」の典型である。高学歴ニートの問題の深刻さは、この時代も今もまったく変わりが無さそうだ。
★また農村では、ブラックマンデーの時代に凶作に見舞われ、飢餓に苦しむ農家が後を絶たなかった。それで、家族の中で病弱な子を殺すという「間引き」が常態化したと聞く。
★今は、未曽有の不況の影響は、都会の各家庭を直撃し、経済的逼迫を齎しつつある。その不安から逃れる為なのかもしれないが、子供への虐待が常態化しつつある。まさに「現代版の間引き」である。
★ブラックマンデーの影響がまだ残る1930年頃、今の百円ショップに相当する「十銭ストア」なるものが渋谷あたりに出現したという（ワンコインショップの歴史って意外と古いのね）。生活用品なら何でも十銭、という格安さが受け、近隣の主婦が連日押しかけたことであろう。今はコンビニから高級デパートの衣料品売り場まで、何処も安売り、安売り、安売りのオンパレード。とにかく売り物の質がよくて安けりゃ御の字、ということで、経費を節約したい家庭の主婦や、給料が減ったサラリーマンやOLが、連日のように買いにやって来るようになった。
★ついこの間まで、国際的に名のある高級ブランドに群がっていたと思しき階層の人間までが、今や良質・安売りと聞いて目の色変えて、ユニクロやH&Mに群がる御時世に。こんなに安売りばかりだと、消費者はより安いものを求めるようになり、それが何時しか悪循環（ネガティヴ・スパイラル）に陥り、更なる不景気を招くオソレがある、と分析する人もいる。
★ついこのあいだ破産法を適用し、その後国有企業になったGM（ゼネラル・モーターズ）をはじめとする世界のクルマ産業も苦境に。トヨタは久方ぶりに赤字となり、ハイブリッドカー「プリウス」をフルモデルチェンジして、環境にやさしいことを売りに、巻き返しを図る。ホンダもフルモデルチェンジした「インサイト」を出して環境によいことをアピール。不況による逆風が、本格的エコカー時代を招く好機となったのだった。（ホンダは更に、水素で動く時代の最先端をゆくクルマも開発中である）。それでも、フェラーリとかポルシェに憧れる人間は減った験しがないようである。環境に優しいクルマでも走って楽しくなければダメ、とはホンダで“水素カー”の開発に携わってきた人の意見である。
★…と、ここまで書いて見ると、20世紀の遺物のようなものが一気に噴き出したようなきょうびの世の中ではある。しかしやがて、そうした遺物的社会も、いいものだけを残し、やがて全てが完全に黄昏て、本当の意味で新しいものが出て来る時代がくるのであろう。
★歴史は繰り返す、しかし時代は進む。1900年代直前、世の進むに従いて、目薬にも新しいものが出来たように、この不況の時代が黄昏ると同時に世は進み、本当に新しいもの、こと、ひとが出現する事を信じたいものだ。
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by トートバッグ (2013-05-30 16:49)
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by ハンドバッグ (2013-05-30 16:50)
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by ショルダーバッグ (2013-05-30 16:52)
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by ティファニー ピアス (2013-06-14 16:02)